或日或森

あがた森魚の或日の日記やコラムをお伝えしてまいります。

●2006年10月5日(木)


9月30日、桐生有鄰館「アガタフラグメント」
(共演、矢野誠、椙元広雪、武川雅寛)
10月3日、「マニアの受難」試写会
加えて、「ユリイカ/稲垣足穂」の発刊。

例えば、先月末からの、これらのみならず幾つかの出来事。
(特に、桐生有鄰館はすばらしかった)
それらを、咀嚼、反芻するだけで、
よい夢、悪い夢、いえ、すべてがよすぎるんですけど。
ある種の嘔吐感や、胸騒ぎや、陶酔感に襲われて、
日記一つ書けない。

一つ感じたのは、
僕らは、今はまがりなりにも、とある軌条を描き、
しかし、いつかは地上に軟着陸ないしは、墜落する
航空機のようなものに共に乗ってる(乗せられてる)んだなあ、
という、感慨、悪寒、歓喜、憤怒、諦念、記憶、既視感、郷愁。
それら感慨、悪寒、歓喜、憤怒、諦念、記憶、既視感、郷愁らに、
ないまぜにさせられ混乱させられる。
それらを、人類の宿命と、
他人事のように、諦観すべきか?あるいは?

どうあれ、未来の子供達を犠牲にして生きてるんだなあ、 と。
僕らは、先のことなんか、なんにも考えてない。
つくづく、そうおもった。
つくづく、そうしかしていないとおもった。

これを、僕の、ネガティブ/ペシミズムととるか、
未来への、稚気猛々しくもがく希求ととるかは、
これを読む人の自由。

夢想家で悪喰王児なヒドラが、海底の砂中にて、
綺夢、羅夢、悪夢らを、喰らい過ぎて、
まさに、嘔吐してまどろみ、嘔吐してまどろみ、
してる昨今なり。