今週の日記より

あがた森魚の今週の日記より紹介してまいります

@■2012年11月07日(水)


11月07日(水)「大沢悠里のゆうゆうワイド」

朝7時半に川口の家を出て、9時20分頃から
TBSラジオ「大沢悠里のゆうゆうワイド」の
番組に1時間あまり出演して、
あれこれ語ったけど、いい番組に出演した。
予期せずに、ゲスト出演のラジオ番組がこんなに楽しいことになるとは。
(ジングルの歌まで歌わされてしまった!!)

どこから言葉を発したらよいか、
今年ベルウッド発足および、デビュー40周年ということで
2枚のアルバム作りと全国ツアーほか、初期アルバムの復刻、
ベスト盤の発売、等々いろいろが行われたが、
この1本のラジオ番組がそれにも伍する意味を持った、つかの間だが
かけがえのない番組かのようにさえ思えた。
大沢悠里さんと見城美枝子さんの二人のパーソナリティのナビで、
メールや電話で応答してくれた聴取者、
関東エリアで120〜130万人はいるというリスナー、
その聴取者たちとの交流全体にはまさに40年分の長くて深い、
含蓄ある味わいがあった。

決してノスタルジ−ではなく。
決して40年前のあがた森魚で出ています、でもなく。
そこから40年の時空間を越えた2012年のあがた自身が、
「赤色エレジー」から、今日に至る40年分の時間の流れを
分かち合えた1時間。
つかの間であらばこそ、かけがえのない、
貴重な現実と超現実を行き来するかのような時間。
大沢悠里さんと見城美枝子さんがテキパキと何通ものメールや電話を
読み上げてくれたが、1972年に「赤色エレジー」を聞いた時の
驚きや感動が、昨日のことのように口々に伝わってきた。
昔の歌を聞けば、どれもこれも懐かしいには違いないのだが、
加え、ことさらこの「赤色エレジー」は、多くの人にとっては、
特別の驚きのあった一曲だった、ということが
まるで昨日のことかのようによみがえった。

今年、あがた森魚が、記念すべき40年目の全国ツアーを行えたことも、
素晴らしいことだったが、
40年目にして、現在にいたるまで、なお約40枚のアルバムや
全国津々浦々、数百ヶ所にも及ぶ、ライヴツアーを行ってきた、
それらすべても素晴らしいことである。
けれども、あがた自身のある意味の「表現」ないしは、
ある意味の「芸能」として、もっともっとやってみたい
無邪気な「表現」や「問いかけ」が、未知なる「妄想」や「衝動」といったものが、
まだまだ内には無数にふつふつと秘められてあるということを、
そのつかの間、再認識した。
色々が、もう終ったわけではない。
40年前を回顧しているわけでもない。

ギター一本持って、街々をうろつくのも、ホールやライヴハウスで
大きなイベントをやるのも、すべてやぶさかではない。
問題は、いかにどのようにして、あがた自身が表出したい音楽なり、世界なり、を
過不足なく形にし、表出しうるのか。それだけのことではないのか。

あがた森魚の音楽を知っているのは、
「赤色エレジー」を知っている大衆のみではない。
あがた森魚がそれからの40年をどんな「歌=音楽」を作ってきたのか、
作ろうとしてきたのか。
それを長い年月にわたって聞いてきてくれた聴衆もいる。
2012年現在、それらが渾然となって、潜在的にはものすごい数の聴衆がいる。

それこそは、あがた森魚の「歌=音楽」であり、「生き方=哲学」
であるかもしれない。
そして、その「哲学」ないしは「音楽」は 、結局は、
あがた自身の「歌」そのものによってでしか、回答はない。

今、こうして書いているノートも、誰彼とよしなしに語り合う言葉も、
あがた森魚の「歌」の解説以上の意味はもてない。
ではなぜ記したり、語らったりをしようとするのか。
それでも、歌へ誘いたい「あなた」への問いかけがあるからではないか。

今朝の「大沢悠里のゆうゆうワイド」への出演は、
そんな一体全体を僕自身の中に強く呼び覚ました。
大沢悠里さんともデビュー当時は、番組で色々お世話になったし、
また、大沢さん自身がその当時のことはもちろん、
今日に至る、あがたに関するさまざまを
情報としてのみならず、よく認識してくれていて、
話題も新旧多岐にわたり、曲も、
僕自身の「赤色」「キュポラワール」「女と男のいる鋪道」、
加えてDylanの「ライク・ア・ローリングストーン」までもかけてくれて、
多くの聴視者からメール、電話もいただき、
その全体があがた森魚の40年を十分に切り取ってみせてくれて、
デビューから40年目のある朝のつかの間の予期せぬ贅沢な出来事(番組)になった。
素敵な時間に感謝します。

………………………………

さて、ユニバーサルからのベスト盤「あがた森魚大航海40年史」本日発売になりました。
これは、ぜひ皆様お手にとって聞いていただけると嬉しい。
贅沢な40年がぎっしりです。
なお、このアルバムタイトルは、
僕自身がつけたかのように皆さん思われるかもしれませんが、
このアルバムを企画、ディレクションしたT氏の命名です。
愛情あるネーミングとしてしっかりと受け止めます。
解説の湯浅学さん、装画の山本ルンルンさんにも感謝感謝。





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